【推しの子】第95話感想 復讐はまだ…

【推しの子】

※この記事はネタバレを含みます。

【推しの子】第95話「盲目」が更新されました!

先週は休載だったので一週間ぶりの【推しの子】ですね。

さて、前回はルビーが大躍進している裏で、アクアと壱護元社長が再会しましたね。

アクアと壱護が再会したことで何か動きがあるかと期待していたわけですが、やはり今回のお話で動きがありましたね。まあ、だいぶエグイ動きですが…。

アクアも辛いなと思いましたが…その…タイミングがね…?こんなのって…こんなのってないよぉ!!

それでは感想を書いていきましょう!

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【推しの子】第95話「盲目

壱護の目的

前回のお話でついに再会したアクアと壱護。

ルビーの活動に協力している壱護に、アクアは「まだドームへの未練があるんじゃないのか」と尋ねましたが、壱護は「違う」と答えました。

壱護としては、これは未練ではなく、ミヤコさんに対して申し訳ない気持ちもあるからやっているだけとのことでした。ただ、話ぶりや表情を見ても、恐らくまだドームへの未練は残っているのでしょうね。

と、ここで「そんなにミヤコさんのこと考えてるんだったら「苺プロ」に戻った方が手っ取り早いのでは?」とアクアと全く同じことを筆者も思ったわけですが、壱護が「苺プロ」に戻らないのには理由がありました。

壱護は、アイを殺した人物に復讐するという目的を持っていました。そんな復讐にミヤコさんを巻き込むわけにもいかない。そのため、壱護は「苺プロ」に戻らず一人で生活していたのです。

まさか壱護もアクアやルビーと同じ考えを持っているとは思いませんでしたが、考えてみればそうですよね。アクアとルビーにとってアイは母親でしたが、壱護にとっては娘も同然だったわけですから。加えて、念願のドームをあと一歩のところで奪われたわけですから、壱護が犯人に強い恨みを抱いているというのもわかりますね。

壱護もまた、復讐に燃える鬼だったわけです。たしかに、そんな目的を持っていたとなれば「苺プロ」に戻るわけにもいきませんね。ただ、ミヤコさんに全部押し付けて消えてしまったのは事実なので、申し訳ないと思っているのならミヤコさんに謝罪の一つでも入れてほしいところです。

週刊ヤングジャンプ2022年No.44号 【推しの子】第95話より引用

まだ終わっていない

アイを殺した犯人への復讐に燃える壱護。そんな壱護に、アクアはもう復讐は終わったことを伝えました。

アイを殺したもう一人の犯人は自分たちの父親である可能性が高い。そして遺伝子検査の結果、自分の父親とされた人物(上原清十郎)は既に死亡している。だからもう復讐を考える必要はない。これがアクアの言い分でした。

しかし、壱護はアクアの言い分に真っ向から反論を繰り出しました。

まず、上原清十郎が死んだのはアイが新居に引っ越す前。時系列的に上原がアイの新しい住所を知ることはできません。次に、遺伝子検査については母親が夫とは別の男と子供を作った可能性も残っています。

そして、そもそも犯人が父親だと言う確証もありません。住所バレの件で言えば事務所の誰かが漏らした可能性もあります。

以上のことから「何一つ終わっていない」と壱護は断言。そんな壱護の反論を聞いたアクアは、大いに取り乱してしまいました

アクアの賢さをもってすれば、壱護の反論してきたようなことくらいすぐに気づけたはず。しかしアクアはそれに気づくことができませんでした。

アクアの心のどこかには、復讐なんてものからは早く解放されて、普通の幸せな人生を歩みたいという願望がありました。しかし、その願望がアクアの目を曇らせていました。

ようやく普通の人生を歩み始めたアクアでしたが、それも壱護の発言により打ち砕かれてしまいました。

大いに取り乱し、事実を受け入れられずにいるアクア。果たしてアクアはこの先どうなってしまうのでしょうか。

週刊ヤングジャンプ2022年No.44号 【推しの子】第95話より引用

最悪の再開

壱護に反論され大いに取り乱した後、その場を後にしたアクア。雨の降るなか、アクアは一人ベンチに座り込んでいました。

壱護から聞かされた事実を受け入れられず考え込むアクア。そんなアクアに語り掛けてきたのは、子供の頃のアクア(復讐心)や前世の雨宮吾郎(罪悪感)でした。

アクアを再び復讐の道へ引き戻さんと語り掛けてくる幻影たち。アクアはそんな幻影を黙らせようと、「うるさい!」と叫びながら腕を思い切り振り払いました

その時、腕に何かが当たったことで我に返るアクア。視線を向けると、そこには重曹ちゃんが座り込んでいました

なんという…なんという最悪の展開…。アクアからすれば幻影を黙らせようとしただけですが、重曹ちゃんからしたらアクアに拒絶されたとしか思えない状況が出来上がってしまいました。

目に涙を浮かべながら、雨の中を傘もささずに走り去っていく重曹ちゃん。アクアの傍には、重曹ちゃんが持っていたであろう傘が、アクアを濡らさないようにさしてありました。

おい、もうこれどうすんだよ!!重曹ちゃん何にも悪くないのにめちゃくちゃ可哀想な状況になってるじゃないか!!違うんだ…違うんだよ重曹ちゃん…アクアの言葉は重曹ちゃんに向けたものじゃないんだよ…。

何とも、絶望的な状況になってしまったアクアと重曹ちゃんの関係。ここからどうやって関係を修復するというのか。本当にどうするつもりなんだ作者様ぁ…。

週刊ヤングジャンプ2022年No.44号 【推しの子】第95話より引用

感想/まとめ

アクアが事実に苛まれ、重曹ちゃんが尋常ではないレベルの心の傷を負ったお話でした。

アクアと壱護の再会には意味があると思っていましたが、まさか壱護から復讐が未解決であることを明かされるとは。私としてはてっきりあかねちゃんから明かされるものと思っていましたから、ここで遺伝子検査の件が回収されるとは思いませんでした。

壱護から明かされた内容は本来のアクアであればすぐにでも気づきそうなものばかりでしたね。あかねちゃんもアクアの話を聞いてすぐに粗さに気付いていたくらいですし、本来のアクアが思考の抜けに気付かないはずがありません。

しかし、そんな思考の粗さに長い間気づかなかったということは、それだけアクアは復讐を終わらせたいと思っていたということでしょうね。

アイが亡くなってからというもの、アクアは十数年ものあいだ復讐のために生きてきました。幼少期から成長する過程で本来得られるはずだった”普通の幸せ”も捨てて犯人を追い続けていたのです。

私はアクアの気持ちを理解することはできませんが、ある人物に対して常に敵意を抱き、周囲の人間を疑いながら送る人生というのは、考えるだけでもすごく苦しそうです。

そんな人生を送っていたところに、遺伝子検査の結果と上原清十郎の死亡の話があったことで、アクアはそれを復讐の終わりだと盲目的に信じ込んでしまったんですね。

そして、そんな盲目のしっぺ返しを今回のお話で受けてしまったと…。信じていたものが覆されるというのは、辛いですよね…。アクアの取り乱しっぷりは見ていて心が痛みます。

そして、アクアは再び復讐へ誘おうとする幻影たちに苛まれるわけですが…ここで今回の一番の問題シーンがありましたね。

アクアは自分を苛む幻影たちを黙らせようと腕を振り払ったわけですが、現実ではそこに重曹ちゃんが居たんですよね…。

アクア視点で見れば、煩い幻影を振り払う行為。しかし重曹ちゃんからしてみれば、雨の中ずぶ濡れで落ち込んでいる様子のアクアを気に掛け、暫くロクに口もきいていなかったアクアに傘をさしてあげるという超親切行為をしただけなのに、当のアクアから全力で拒絶されるというあまりにも可哀想な状況になってしまいました。いや、本当に重曹ちゃん可哀想すぎるでしょ。

いくら泣くのが売りの天才役者だとはいえ、これはあんまりでしょ。作中時間でおよそ一年ぶりに会話したと思ったらこれかよ。こんなことで泣かせにきてほしくないよ。読んでるこっちまで涙が溢れてきますわ。

こんなん現実であったらもう人間関係修復不可能なんじゃないかってくらい酷い状況ですが、果たして作者様方はここからどう関係修復にもっていくつもりなんでしょうか。

最近の重曹ちゃんはやたらアクア関係でこじれて泣かされていて、正直もう見ていられません。ご都合主義でもなんでもいいから重曹ちゃんが幸せになるルートを歩ませてあげてください…。

復讐が終わっていないことを知り絶望するアクアに、心に深い傷を負ってしまった重曹ちゃん。これからアクアと重曹ちゃんがどうなっていくのか心配で仕方ありません。

でも、以前アカ先生がツイッターで「黒川あかねは連れて行ってくれる子、有馬かなは連れ戻してくれる子」と発言していましたから、アクアが再び復讐に囚われそうになっている今、どん底まで落ちたここからが勝負なのかもしれません。

重曹ちゃんの心を救ってあげられるのはアクアしかいない。そして、アクアを救ってあげられるのも重曹ちゃんしかいない。(私はあかねちゃん推しでもありますが、本当の意味でアクアを救えるのは重曹ちゃんなんだろうなと思っています)

だからこそ、ここでアクアと重曹ちゃんの関係が破綻するとは考えていません。ここからどうやって関係を修復するのかわかりませんが、アクアと重曹ちゃんがまた普通に会話できるようになり、重曹ちゃんの明るい笑顔が見られるようになることを願っています。

P.S.

壱護が言っていた「犯人が父親とは限らない」と言った趣旨の発言ですが、これは壱護視点からみたらそうなるでしょうね。

私たち読者目線で見れば、アクアが父親が犯人だと結論付けた理由もアイが夫らしき人物に電話をかけて新しい住所を教えている描写も知っていますから、アクア達の父親が怪しいという考えにもなりますが、壱護たち当事者目線で考えればアイの電話とか知る由もないですからね。犯人に繋がる手がかりがない以上、心当たりのある人間は全て疑ってしかるべきなのでしょう。

でも言われてみれば、作中で思わせぶりな描写はあれど、客観的に父親が犯人だとは名言されていないんですよね。アクア視点で犯人像を描いていたので父親だと思い込んでいましたが、実際のところはどうなんでしょうか。

まあ、私はアクア達の父親が犯人だろうという考えを変える気は今のところないのですが、そろそろ少しでいいから犯人への手がかりが欲しいところですね。

それではまた次回。

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2023/7/5 追記

「ゴロー」の名前を間違えていたため修正しました。(五郎⇒吾郎に修正)

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