【推しの子】第62話感想 重曹ちゃんを導くのはアクアの務め

【推しの子】

※この記事はネタバレを含みます。

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さて、【推しの子】第62話「アドリブ」が更新されました!

前回はあかねちゃんが重曹ちゃんに本気の演技をさせようとして失敗。重曹ちゃんの本気を引き出そうと、アクアとあかねちゃんが協力の姿勢を見せたところで引きとなりました。

「今日あま」の時もファーストステージの時も、重曹ちゃんの魅力を引き出すのはアクアの務めでありますが、今回はどのような手法で重曹ちゃんの本気を引き出すのでしょうか。

重曹ちゃんの内面に焦点が当てられた2.5次元舞台編。盛り上がる予感にワクワクしてきますね!

それでは感想を書いていきましょう!

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【推しの子】第62話「アドリブ

姫川の演技

姫川とアクアの立ち合いのシーン。

姫川の演技からは一つ一つの所作に感情が乗っていることが感じ取れます。姫川曰く「俺は客に見えてないものを前提に演技しない」とのこと。そのため彼の演技は、表情ではなく体全体で表現する。

そんな姫川の演技はまさに情報量の塊。遠くの席に座っている観客にも伝わるような、表情に拘らない熱い演技。流石は実力派劇団「ララライ」の看板役者といったところでしょうか。常に観客からの見え方を意識する姿勢は素晴らしいです。

実は、眼鏡を外すと至近距離の人の表情もよく見えないほど目が悪い姫川。コンタクトを付けていないのは「怖いから」だそうです。トップクラスの演技力を持つ実力派として存在感を放ってきた姫川ですが、結構かわいらしいところもあるんですね。というか、「観客に見えていないものを~」の台詞は目が悪いことに対する言い訳…なんてことはありませんよね?

それにしても、アクアと姫川のシーンは表現がとても斬新で面白いです。動きに勢いがあるというか、疾走感があってとてもかっこいいですね。それに、目が見えないながらもこれだけの動きができるって、やっぱ姫川さんぱねぇっすわ!

週間ヤングジャンプ2021年No.50号 【推しの子】第62話より引用

対比構造

全身で熱い感情を表現する姫川の演技。 対するアクアは姫川と同じ土俵に上がるようなことはせず、姫川とは真逆の感情を押し殺した冷めた演技で対抗しました。そんなアクアの演技を見た「みたのりお」から一言。

週間ヤングジャンプ2021年No.50号 【推しの子】第62話より引用

ほう、対比構造ですか。おいおいおいおい、やるじゃんあいつ。

姫川の感情ノリノリの演技にアクアも乗っかれば、圧倒的に格上の姫川に間違いなく押し負けてしまいます。そうなれば公演が終わった後に観客から「姫川の演技の方がよかった」と言われてしまうことは容易に想像がつくでしょう。しかし、姫川に感情演技では勝てないことを知っていたアクアは同じ土俵に上がることはせず、姫川とは真逆の感情の乗らない冷たい氷のような演技で対抗したのです。

そうすることでどちらの演技が良いか悪いかの比較をさせなくする。即座にこのような対比構造に持ち込めるところは流石アクアですね。この対比構造により、姫川の演技ばかりが目立つのではなくアクアの演技も際立たせることができました。が、「みたのりお」の発言によると姫川はそんな簡単に対処できる役者ではないとのこと。この先またアクアと姫川が一対一サシで刀を交えることがあるかはわかりませんが、ラスボス的な圧倒的強者オーラを放つ姫川にアクアがどのように立ち回るのか楽しみです。

アクアの「受け」

あかねちゃんの”周囲を食べてしまうような演技”に対抗するため、姫川はシーンの途中でアドリブを入れようと、シーンが始まる直前で重曹ちゃんに話していました。

シーンの最中、ココというタイミングで姫川は重曹ちゃんを突き飛ばしました。さあここからどんなアドリブを見せてくれるのかと思いきや、突き飛ばされた重曹ちゃんはアクアのもとへ。姫川は自分がアドリブをするのではなく、最初からアクアと重曹ちゃんに全振りするつもりでアドリブを計画していたのです。

なんと丸投げ(笑)!姫川のことですから何か凄いアドリブでも仕掛けてくるかと思っていましたが、まさかアクアと重曹ちゃんに丸投げしてくるとは恐れ入りました。

姫川の意図を察した重曹ちゃんはすぐにアドリブに対応しようとしました。「受け」が得意な彼女にとってアドリブは自分がリードして当たり前なのです。しかし、先に動いたのはアクアでした。

アクアはイケメンにしか許されないボディータッチ多めなやり取りを経て、会話を自然な流れで台本に合流させる華麗なアドリブ捌きを披露。そんなアクアを見て、重曹ちゃんはアクアが実はとても「受け」の演技が上手いことに初めて気が付きました。

これまで自分から無茶をすることはなく、常に調整役に回ってきた重曹ちゃん。しかし、アクアの「受け」は自然な流れで観客の視線が重曹ちゃんに集まるよう誘導してくれていて、それはまるで重曹ちゃんに「りたいように演技やれ」と言ってくれているかのようでした。アクアの動きからアクアが自分の背中を推してくれていることを察した重曹ちゃんは、ついに本気の演技を始めるのでした。

やはり、重曹ちゃんの全力を引き出せるのはアクアしかいないですね。「今日あま」の時もそうでしたが、今回もアクアは重曹ちゃんが全力を出せる環境を整えてくれました。過去の経験から本領を発揮できずにいる重曹ちゃんに、なんでも受け止めてやるからやりたいようにやってまえと背中を推してくれるアクアのなんと心強いことか。

これを言葉で伝えるのではなく演技を通して伝えるというところがまたいいですねぇ。役者たるもの演技で語ってなんぼです。姫川はきっとこれを狙ってアドリブを仕込んだんでしょうね。さほど長くはない付き合いの中で、アクアが重曹ちゃんの信用にたる「受け」上手ということを見抜いていた姫川はやっぱり凄いです。

これから重曹ちゃんはそれはそれは素晴らしい演技を魅せてくれるものと思いますが、重曹ちゃんを陰で支えるアクアの「受け」にも注目していきたいですね。

週間ヤングジャンプ2021年No.50号 【推しの子】第62話より引用

感想/まとめ

アクアの「受け」の上手さ、そして重曹ちゃん覚醒のお話でした。

やっぱりアクアは「受け」が上手いですね。姫川との”対比構造”も「受け」の一種かと思いますが、燃える姫川の輝かせながらも飲み込まれることはなく、自分の演技も際立たせる良い演技でした。

そして、重曹ちゃんとのアドリブにも即座に対応し、自然な流れで重曹ちゃんが注目されるように誘導。対比構造もアドリブも、舞台の状況を冷静に分析し的確な行動をとれるアクアだからこそできた演技だと思います。

そんなアクアの「受け」の上手さに気づいてしまった重曹ちゃん。これはもうアクアに身を委ねるしかありませんね。重曹ちゃんが安心して全力を出すためには、アクアの存在が必要不可欠なのです。次回は重曹ちゃんが魅せてくれるそうですが、全力を出した重曹ちゃんの演技とは一体どれほどのものなのか楽しみですね。

さて、アクアの「受け」に身を委ね、本気を出し始めた重曹ちゃん。ララライの看板役者こと姫川、ララライのエースこと天才役者のあかねちゃん、そして元天才子役で演技力も折り紙付きの重曹ちゃんが本気の演技を始めたら、一体舞台上はどうなってしまうのでしょうか。

これまたワクワクしてきました。来週は神回になりそうな気がします!

P.S.

ここぞとばかりに重曹ちゃんを触りまくるアクア。ちょっとアクア!嫁入り前の乙女に何してやがんだ(いいぞもっとやれ)!

週間ヤングジャンプ2021年No.50号 【推しの子】第62話より引用

それではまた次回!

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