※この記事はネタバレを含みます。
【推しの子】第58話「成長」が更新されました!
前回、殺陣のシーンで刀を上に放り投げ、落ちてきたところをキャッチするという激アツな演技を見せてくれたメルト君。
もうこの時点で大興奮ですが、今回のサブタイトルが「成長」と来たもんだ。これは期待できそうですぞ!フンフン!
鼻息も荒くなってきたところで、早速感想を書いていきましょう!
【推しの子】第58話「成長」
激アツなギャップ
制作側も来場した観客達も、みんなが「メルトはヘタだ」と舐め切っていたところで、刀を放り投げキャッチするという派手な演技を決めて魅せたメルト君。まさしく原作通りの演技に、観客席は一気に湧き上がりました(ていうかモブ可愛いな)。
「東京ブレイド」原作者のアビ子先生もメルト君の演技に「原作再現すごい!」と目をキラキラさせて大興奮です。これは良い感触だぞ!!
そして、このギャップこそアクアが狙っていたものでした。演技がヘタでもそれを上手く使ってギャップを見せる。観客がそのギャップに驚き、注目が集まったところで見せ場を持ってきて一気に決める。
予想外の出来事が起こった時に情報収集能力が活性するのは人間の本能、と作中でも語られています。言わば、会場全員の注目がメルト君に向いている超ボーナスタイム。役者であればこの瞬間を上手く使わない手はありません。
丁度ここからキザミ(メルト)の舞台上での一番の見せ場。もうワックワクが止まりませんわい!
キラッキラのアビ子先生可愛い!
感情の乗る演技
原作通りの派手な演技で観客の注目は惹きつけました。しかし、本当に大事なのはここから始まるキザミ(メルト)の見せ場での演技です。
見せ場となるのは「初めて出会った強敵に敗北したキザミが、根性だけで相手に立ち向かうシーン」。
と、言葉ではわかっていても、実際にキャラの心理を理解して感情を乗せる演技をするのは至難の業。メルト君も「東京ブレイド」のオファーを受ける前も含め半年間真面目にレッスンを受けてきましたが、キャラの心理を理解するにはまだまだ実力が足りませんでした。
しかし、原作漫画を読み返していくなかで、メルト君はキザミが「悔しい」という感情を抱いていることに気が付きました。それは、メルト君とキザミの共通点。メルト君もまた「今日あま」を経て、凄いと思っていた自分が実は何もできない人間なのだと気づき、常に「悔しさ」を感じて日々を過ごしていたのです。
メルト君はその「悔しい」という感情を、キザミの見せ場である1分間に注ぎ込みました。その感情は演技を通し、向かい合っている朔夜は勿論、客席にまで届くほどの強さでした。
観客もみんな開いた口が塞がらずに見入っている様子からして、メルト君の感情演技は相当真に迫ったものだったのでしょう。メルト君にとってもキザミにとっても、この「悔しさ」は人生最初の大きな挫折の感情。その感情の大きさは、一体どれほどのものだったのでしょうか。
メルト君とキザミの感情を語るには、残念ながら筆者には挫折の経験が足りません。しかし、漫画のコマの一つ一つから、メルト君の「悔しさ」や演技の迫力が伝わってくるとても良い見せ場でした。
普段は素人に毛の生えた程度の実力しかないとしても、この見せ場の1分間だけは、この場の誰よりも素晴らしい演技をしたと断言できるシーンになりそうです。
そして、メルト君の感情演技は、この世で最もメルト君を厳しく評価していた吉祥寺先生の心にも深く刺さりました。
「今日あま」のドラマをメルト君のぶり大根によって台無しにされた吉祥寺先生は、それ以来メルト君をゴミを見るような目で見てきました。
そんな吉祥寺先生が、メルト君の演技を見て泣いたのです。
「今日あま」以来メルト君を厳しい目で見てきた吉祥寺先生が、涙を流して喜んだ。これだけでメルト君の演技は素晴らしいものであるという何よりの証明になりますし、メルト君の努力が報われた瞬間になったでしょう。
本当に、本当によかった。
メルト君、君の演技は、感情は、観客全員そして読者にまでしっかり伝わっているよ(泣)!
言葉の意味
キザミの見せ場を終え、舞台袖に下がったところで朔夜と鉢あったメルト君。
メルト君と朔夜はわだかまりの残る関係。今度は何を言われるかと少し身構えましたが、朔夜はメルト君に向かって右腕を振り上げると「やるじゃんか」と言ってガシッとメルト君の肩を抱き寄せました。
おお!朔夜がメルト君を褒めた!やったなメルト君!!
自分より圧倒的に(演技では)格上の相手から演技を褒められる。これは嬉しい出来事ですぞ!筆者も何故か自分事のように喜んでしまいました。
朔夜が「次もこの調子で頼む」と言って去っていった後、傍に居たアクアに話しかけたメルト君。「今日あま」でアクアに言われた「やっぱ演技は感情乗ってナンボだよな」という言葉の意味を理解したメルト君は、とても良い笑顔で笑ったのでした。
本当に、本当に良い笑顔だメルト君…!そんな笑顔されたらお前…ファンが増えちまうだろうがよ…っ!
このメルト君の笑顔から様々な感情がこみ上げてきます。
メルト君がアクアの言葉を意味を理解できた瞬間、言葉を意味を理解するまでに費やした努力の日々、大きな挫折、そしてメルト君とアクアのこの関係。
このクソでか感情なるものをどう処理すればいいのかわからない…。何か適切な言葉は…。
なるほどそうか、ようやく理解できた。
この感情こそまさしく、
尊い(語彙力)。
感想/まとめ
神回、きちゃったかぁ…。
まさにサブタイトルどおり、メルト君の「成長」が感じられた素晴らしいお話でした。
特に、メルト君(キザミ)の見せ場は、コマの一つ一つから感情や迫力が伝わってくる、本当に素晴らしいシーンでした。
なにより、吉祥寺先生が泣いて喜んだ。もうこれだけでメルト君の全てが報われました。
筆者も見せ場のシーンは観客と同じように見入ってしまいましたし、吉祥寺先生の泣き顔を見た時なんかもう…よかったぁ…(泣)。
もう、本当に涙がこみ上げてきてしまいました。少年のアビスにしろ、最近は涙もろくなっていけねぇや。
感情が揺さぶられる漫画はいい漫画だ!いい漫画だぞ【推しの子】はァ!!
それにしても、言うは易く行うは難し。
「ヘタを上手く使え」とアドバイスしたのはアクアですが、じゃあやれるのかと言われればプロでも難しい。そこをしっかり仕上げてきたのは紛れもなくメルト君本人です。
メルト君の実力では刀を投げてキャッチするという原作通りの演技をするだけでも大変な苦労だったことでしょう(というかこれベテランでも難しいでしょう)。それに、ギャップは一瞬見せるだけでは意味がなく、その後の見せ場でもしっかりと決めなければなりません。
この難しい課題をメルト君がこなすには一体どれほどの稽古が必要だったのでしょうか。メルト君の並々ならぬ努力によって見事に決まった「キザミ」の見せ場。天晴と言うほかありません。
観客全員の度肝を抜き、吉祥寺先生を泣いて喜ばせる演技に仕上がったのも納得のいく結果でしょう。朔夜も褒めてくれましたしね。
朔夜はあれだけ舐め腐っていた相手でも素晴らしい演技は素晴らしいと認め褒めることができる。彼の演技に対して非常に真摯で公平な姿勢は評価できますね(格下への態度の悪ささえなければなぁ…)。
そして、最後のメルト君の笑顔よ…!
メルト君に現実を突き付けてきたのもアクア、演技に本気で取り組む楽しさを教えてくれたのもアクア。そんなアクアに最高の笑顔を向けるメルト君。いい………..。
メルト君とアクアのなんとも言い難い関係もさることながら、アクアの言葉に気づくまでに費やしてきたメルト君の努力の日々のことを考えると、胸がいっぱいになって涙がこみ上げてきます。
もう、本当に尊い…。もう尊いしか言えない…。
ああーー!!!薄い本がはかドゥルルルルルルルル!!!!!
なにはともあれ、これでメルト君も役者としてまたひとつ「成長」しました。もうぶり大根なんて呼べません。
これからメルト君がどれだけ成長してくれるのか、どんな活躍を魅せてくれるのか、今から楽しみでなりません。
さて、メルト君の見せ場の次は一体誰の見せ場が来るんだい!?
んん!?次回からは一体誰が出てくるんだいッ!!??
2.5次元舞台編の盛り上がりに興奮を抑えきれませんぞー!!
それではまた次回!
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