※この記事はネタバレを含みます。
どうも、重平です。
あやかしトライアングル第130話「祭里のブラとすずの決意」の感想です。
あやかしトライアングル第130話「祭里のブラとすずの決意」
女祭里の苦悩
“水族館でーと”で気づいた「男祭里は祭里の男の部分そのもの」であるという気づき。女祭里は考えれば考えるほどに、男祭里は自分の一部であり、倒せば二度と男に戻れなくなるという仮説を確信に変えていきました。
冒頭の「万物は陰と陽でできている」という例えはなかなかしっくりきますね。陰と陽、男と女。性惺流転は性別の陰陽を逆転させる秘術であり、五行仙はそれを媒介にして男の祭里を分離させたと考えれば、確かに男祭里を安易に倒してしまうのは危うい気がします。
しかし、それを聞いていたカゲメイは「そんなの覚悟の上でしょ?」と女祭里に問いました。カゲメイは、祭里は自分の身よりもすずを取るだろうと考えていたからこそ、女祭里に秘密を共有したのです。
確かに、初期の祭里は二度と男に戻れなくなろうともシロガネを祓おうとしていましたからね。ただ、今は最初期と状況が変わっています。今の女祭里は、男に戻る道を諦めてしまうことは“男に戻るため”にすずと歩んできたこれまでを否定することになるのではないかという懸念が振り払えずにいる様子でした。
作中の時間で半年くらいでしょうか。祭里は既に女としてかなり密度の濃い日々を送ってきましたからね。このような考えを持つようになってくれて嬉しく思いますが、とはいえ今の男祭里も危険な存在であることに変わりはない…難しい問題ですね。
考えたところですぐに決断ができない女祭里は、一旦決断を先送りにしてひとまず現状の対策に打って出ることにしたのでした。
女祭里の猛アタック!すずさぁ…
男祭里を祓うかどうかの決断は先送りにするものの、男祭里がすずに急接近している現状を放っておくこともできません。そこで、女祭里はとりあえず男祭里にすずを取られないように、わざとすずにベタベタしてすずの気を引くことにしたのでした。
女祭里の行動はあまりにもあからさまでしたが、”水族館でーと”で邪魔をしないでくれたという借りもあり男祭里も大目に見てくれました(シロガネは男祭里に説得されてました)。
登校時も学校の中でもすずに猛アタックをしかける女祭里。普段より明らかに肌の接触回数が多い女祭里に、すずは内心「なんでこんなっ…私をムラムラさせてくるのっ……!!」と発情していました…。
あのさぁ…すずの中に「ドキドキ」という単語はないんか…?「いつもより触れ合う頻度が多くてドキドキする///」とかなら可愛げがあるものを、なにムラムラしとんねん!欲望に正直すぎるやろ。ホントにすずはブレませんね(笑)。
そんなすずにはさらなる展開が待ち受けていました。なんと、女祭里が学校の人気のない場所で自ら自分のブラジャーを見せつけてきたのです!しかも、すずの気を引くためにあえて可愛らしいものをチョイスした模様。女祭里もなかなかやりますねぇ。
これはすずも堪えきれんだろうと思いましたが、意外や意外。女祭里のブラ姿を見たすずは泣き出してしまいました。どうやらすずは、自分が男祭里とデートをしたことで女祭里にここまでさせるほど寂しい思いをさせてしまったのだと責任を感じていたようです。
最初は女祭里のブラ姿が見られて嬉し過ぎて泣いたのかなと思いましたが割と優しい理由で泣いてましたね。
そして、すずは二人の祭里を傷つけないために今後はもう「何もしない」と宣言。二人の祭里とは健全な付き合いをしていくと誓ったのでした。
そんなすずの宣言を聞いたシロガネは涙を流して喜んでいました。まあシロガネからしたら泣くほど嬉しいのでしょうけど、その期待は裏切られると思うのであまり信用しない方がいいと筆者は思いますね。
ともあれ、すずは二人の祭里と健全な付き合いをしていくと言っていますから、その言葉が真実ならひとまずは男祭里とすずが一線を越えるような事態にはならないでしょう。
すずがどこまで「健全」を守れるのか見ものですね。
五行仙の発想に脱帽
さて、すずが「健全に付き合う」と意外な発言をしましたが、それに対する五行仙の反応も驚くべきものでした。
万物には必ず陰と陽が存在します。すずが「健全」の道を歩むならば、五行仙はその反対の道を進む。すなわち、五行仙は「破廉恥(ハレンチ)」を推し進めると言うのです!!(五行仙の中では健全の反対は破廉恥らしい)
正気か五行仙!?どうしてそうなった五行仙!??そんなんもう“淫”と”陽”やんけ!!
五行仙の言いたいことが分かるけど理解(わか)らないという奇妙な感覚。おじいちゃん達の発想力には脱帽です。
しかも、それで人間の愛欲から生まれた異妖の「ビル子」に”穢れ”を送り込むってんですからもうヤル気満々ですよ五行仙は。ビル子はマズいだろビル子は…。(ビル子については第79話をチェック)
五行仙は「とめどない”破廉恥”の流転の始まり」とか「時は来た・・・!!」とか随分とノリノリですが、果たしてビル子を使って何を仕掛けてくるつもりなのでしょうか。この先の展開が怖くなってきましたね…。
感想/まとめ
すずが(ようやく)「健全」を意識したと思ったら、逆に五行仙が破廉恥に振り切り出したお話でした。
冒頭の女祭里の葛藤に「そうだよね、悩むよね…」と割と真面目な頭になっていたところだったのに、中盤のすずのムラムラ発言で天を仰ぎ、終盤の五行仙の破廉恥路線表明で度肝を抜かれました。
マジですずの気持ちは「ドキドキ」が来ると思ってたのに「ムラムラ」って何やねん(笑)。まあ、すずらしいなって感じはしますけど、やっぱすげぇですわこのハレンチ巫女。一般人とは違う思考回路を持ってらっしゃる。最後に「健全」宣言してましたが、どれだけその言葉を守れるか見物ですね。
そして五行仙の破廉恥路線表明にも驚きました。おじいちゃんたち急にどしたん??
五行仙の「”陰”と”陽”」ならぬ「”淫”と”陽”」な発想にも度肝を抜かれました。しかも今度はビル子をけしかけてくる模様。これは五行仙、本気ですよ…。
果たして、五行仙はどれだけ恐ろしい破廉恥を引き起こすつもりなのでしょうか。この先の展開が楽しみであると同時に恐ろしくてなりません。(主にすずのダークネスの暴走が恐ろしい…)
さて、ふざけた感想は一旦横に置き、女祭里の葛藤にも触れましょう。
男祭里を祓うかどうか悩んでいる女祭里ですが、これは本当に難しい問題ですね。
今の男祭里は五行仙によって生み出された傀儡であり、さらに妖巫女を滅ぼす恐ろしい呪いをその身に抱えています。いわば爆弾を抱えている状態となれば早々に祓ってしまった方が安全でしょう。
しかし、男祭里は性惺流転の術を媒介に生み出されているため男祭里は”男の祭里”そのもの。祓ってしまうと女祭里(オリジナル)は二度と男に戻れなくなる可能性があります。さらに、男に戻れる可能性を捨ててしまうことは、これまで”男に戻るため”に歩んできた時間を否定することにもなりかねません。加えて、男祭里は操られている自覚も呪いを宿している自覚もありませんからね。男祭里に何の悪意もないところが余計に決断を鈍らせます。
できれば祓いたくはないが、このまま放置しておくわけにもいかない。このような状態で女祭里に決断することはできるのでしょうか。
やはり、男祭里と呪いを分離させないと答えが出せないような気がします。他の仲間たちにも情報を共有して対策を模索することができればいいのですが…カゲメイの気持ちを汲んでいる以上それもできません。
矢吹先生は何とも難しい状況を作り出してくれたものです。願わくば、最後の方は何やかんや上手くいって二人の祭里のどちらも悲しまない結末になってくれると嬉しいですね。
さて、すずが「健全」を意識し、五行仙が「破廉恥」を意識し出したわけですが、果たして次回以降のお話はどうなってしまうのでしょうか。ビル子まで引っ張り出すつもりらしいのでこれは荒れますよ…。
ビル子が”穢れ”でパワーアップしたことでどんな破廉恥展開が巻き起こるのか、そしてすずは「健全」宣言をどこまで貫けるのか。
もう次回には瓦解しそうな気がしなくもないですが、「健全?」VS「破廉恥」の戦いがどのように展開されていくのか楽しみですね。
それではまた次回!
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